小川正美 人生はホントの自分に戻る旅。

普通の会社員から離婚して無職になり一念発起、弁護士になった私の半生とこれからのライフワークを綴ります。

私でなければダメな仕事なんて存在しないと思っていた。①



お仕事シリーズです。

 

私は、

私でなければダメな仕事、私であることが必要な仕事がしたい、とずっと渇望していました。

(正確に言えば仕事でなくても良いのですが、それは措いておきます。)

 

しかし、それとは裏腹に、「私でなければダメな仕事なんてこの世界にはない。」という、強く硬い観念(諦念と言ってもよいかもしれない)もありました。

自ら、この観念を強化するような人生を歩んできたともいえます。


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以前にも書きましたが、私は、大学卒業後、生命保険会社で働いていました。

入社2年目に、所属部署主幹の社内新システムの開発にあたり営業部門と開発部門の調整をする業務をしていたのですが、そのシステムの稼働前に、メイン担当者だった先輩が異動になり、サブだった私が一人でマニュアル作成(Windows3.1の時代です(笑))と営業部門向け研修の講師をすることになりました。

 

降って沸いた大量の業務に、社会人2年目の私は、責任感ゆえに過労死ラインのハードワークをするしかできませんでした。他に知恵がなかった(笑)

ただ、私は、元来身体を壊しては元も子もないと知っている根性なし子でもあるため(自分が犠牲になってもどうせ会社は何もしてくれないと拗ねてもいた)、3ヶ月間ハードワークをして研修までは終わらせ、身体を本当に壊す前に「無理です、通勤二時間だし身体持ちません。住宅手当てかタクシー代かホテル代出してけろ。」と言って、会社は「よっしゃわかった。金は出す。ただし、お前地方行ってこい。」といい、住宅手当ての出る名古屋に異動になりました。

 

新システムのカットオーバーは、確か4月か5月かで、私の引継ぎをした人や上司たちが社内表彰されていました。

余談ですが、当時はプライドが高くて言わなかったけど、言っちゃう。

悔しかったわあ。。上司に美味しいとこもってかれた!と思った。笑笑

 

 

この短いハードワークにおいて、未熟な私なりに決めたことがありました。

 

①期限は必ず守ること。

今はルーズなところもある私ですが(締め付けすぎでは仕事は上手く回らないので、と言い訳)、この時は全社向けというプレッシャーが強くて、若かった私はほぼ徹夜もして仕事をしていました。

 

②私がいなくなっても誰も困らないようにしておくこと。

実際には仕事を1人で抱え込んでしまっていたのですが(人に回す時間も気持ちの余裕もなかった)、途中から、「ああ、私、このままだと、倒れて休職か異動か退職だな。」とうっすら感じていたので、私がいなくなってもこのシステムは予定通り稼働させなければならない、会社(組織)に属している以上、誰がやっても同じ結果を出せる準備をしておくのができる社員だ、自分でなければダメな仕事なんてないしそんなもの作るべきではない、とひとり固く悲壮に誓っていたのです。

 

今にして思えば、私に似つかわしくないマッチョな考え方をしていたものだなと思いますが(今同じ状況だったら「誰かやってくれるよ」と思うだろう(笑))、

当時は、

阪神淡路大震災のショックによる危機管理意識の高まり、

社長と副社長は同じ出張先に行く場合必ず別々の飛行機に乗るという話を聞いたこと(リスクヘッジという単語がかっこよく聞こえていた)、

母からいつも聞いていた彼女の仕事のポリシー(これもまた男気溢れるかっこよさ・・女なのに、笑)、

簡単に共有できる仕事を抱え込んで「自分しかできない仕事」を作ることによって自分の価値をあげようとする人がカッコ悪いと思っていたこと(1つの部署に長くいる女性に多かった)、

等々の影響から、

当時のうら若き私は、それこそ戦争の時の若い兵士のような自己犠牲精神と「私はできる社員なんだ」という妙なプライドとその裏にある自信のなさで、ハードワークをしていたのでした。

幸いにして、兵士と異なり私は戦後教育を受けていたため(笑)、生命ほど大切なものはないと知っていましたから、真っ先に「いのちだいじに(ドラクエ)」モードになり、今に至っております。

 

長い前置きになりました。

 

話を戻すと、

この時、私は、自ら、「私でなければダメな仕事なんてこの世界にはない。」という、強く硬い観念を強化し、

「ていうかむしろ、自分でなければダメな仕事を作るなんて社会人失格!」と自分を追い込んだのでした。

 

世の中には、クリエイティブな仕事というものがあるとは知っていたけれど、それは特別な才能がある人たちだけのもの、私には縁のないもの、と思っていました。

 

長くなりましたので、次に続けます。


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