(クライアント様の掲載許可を得ています。)
「このことが終わったら、やりたい仕事だけやるの。」
と、彼女は言った。
とある契約書作成で打ち合わせ中の出来事。
彼女には、とても大変な出来事がいくつも重なって、
時に、1つ1つクリアしましょう、と励まし、
時に、本当の問題はこっちじゃなくて人間関係なんじゃないんですか?と叱咤してきた。
法律問題に及び腰になっている彼女に痺れを切らして、私が交渉代理した方が速いし安いと思いますよ、これは私の営業ではなくて、と言った私に対して、
彼女は、弁護士が関与してこれ以上相手方との感情的なもつれを起こしたくない、と言った。
私は、
「紛争、或いはその前段階のモヤモヤした状況になるのは、いつだって人間関係の問題です。
もし、今、人間関係がうまくいっていたら、どうやってこの話を相手方に切り出しますか?」
と問うた。
彼女は、ハッとして、
「分かりました。」
と、答えてくれた。
相手方に法律問題の話を切り出すことができる、という自信を得たように、見えた。
私と彼女の打ち合わせの空気も、とても、スッキリしたものに変わった。
そして、冒頭の、
「このことが終わったら、やりたい仕事だけやるの。」
という言葉が出た。
具体的な内容を聞いていたら、そのスケールといい、センスといい、私までワクワクした。
それをできる才能のある人だし、それだけの実績もある。
私は、
「本当に、こういうトラブルじゃなく、本来の●さんの才能をそこに使い切って欲しいです!」
と言った。
あの瞬間の彼女の輝きを、忘れられない。
手前味噌ながら、この記事を思い出した。
これも男子と女子。