小川正美 人生はホントの自分に戻る旅。

普通の会社員から離婚して無職になり一念発起、弁護士になった私の半生とこれからのライフワークを綴ります。

男女七歳にして席を同じうしていた頃。自分の感情にしか意識が行かないと相手が見えなくなる。

皆さま、こんにちは!愛し合っていますか?

 

突然ですが、私は、共学育ちです。

男女7歳だろうが12歳だろうが18歳だろうが隣の席には男子がいることが多かったです(高校はぴったり隣ではなく1つ1つの机が独立していましたが)。

 

あれは、小学校1年生か2年生のころ。「帰りの時間」で、先生が急に、「隣同士の2人とも揃って机の荷物の片づけが終わった人たちから帰っていい。」というルールを採用しました。なんというか、連帯責任です。

片づけと言っても、その日の授業の教科書やノートや文房具をランドセルに入れるだけ(低学年の頃はまじめだったので先生の言うことに従って教科書をいちいちランドセルに入れて持ち帰っていました。重かったわ。)。手早く片づけた私は、隣の席の男子がまだ片づけを終えていなかったので、手伝おうとしました。

すると、その男子が激高して、

 

「余計なことすんな!」と怒ったのです。

 

これまた中学生くらいの私だったら、その男子に、「はあ?何それ、逆ギレなの?モラハラなの?」とキレ返すところでしたが(今だったらキレません(笑)後述します。)、小学校低学年当時の私はまだ大人しかったので、というか純粋だったので、「私は親切のつもりだったのに、どうして怒るの?」という悲しい気持ちが怒りのオブラートに包まれることなく直接的に心に沸いてきて、少し涙ぐんだ記憶があります。

 

で、このことを40年以上も覚えているわけです。我ながらしつこ・・・イヤイヤ、ずいぶんと傷ついたんだなあと思います。

 

今にして思うと、その男子は、きっと、恥ずかしかったんだろうなあ、と思うのです。

隣の席の女子より片づけが遅い自分、さらに連帯責任でその女子に迷惑をかけている自分、そんな「ダメな自分」をひしひしと感じていて自分を責めていて、その上その女子が自分のことを手伝おうとしたもんだから、さらにダメ出しをされているみたいな気分になって、思わず「余計なことすんな!」とキツく言ってしまったんでしょうねえ。

たぶん、悪気はなかったんだと思うのです。

そこで、彼が「ありがとう、でも自分でやりたいんだ。ごめんね、待たせてしまって。」なーんて100点満点のセリフを言うことができていたら、彼は今ごろ稀代のモテ男になっていたことでしょう。でも、小学生男子には普通は無理ですよね。

 

私は私で、彼のことはもう名前も忘れてしまったしこの件以外の思い出もないのですが、この件について思い出すたびに、自分の年代に応じて、「ほんとムカつく!」とか「私、何にも悪いことしてないのに、かわいそう!涙」とか「私は男の人の邪魔なんだわ(←失恋時の自己否定)」とか、色々と思っていました。

 

ただ、大人になるにつれて、「ああ、あの子、きっと恥ずかしかったんだなあ。」と思うようになってきました。相手の感情を慮るというか、単純に「きっとそうだったんだろうな。」と理解をしただけですが、長年のコリが一つとれたような、すっきりした心地になりました。

それは、大げさかもしれませんが、私にとっては、「自分が何も悪いことをしていないのに男子に傷つけられた!」という被害者意識からの卒業でした。

 

傷ついた、という自分の感情にしか意識が行かない状態だと、相手の状況や感情を理解することができません。

この時、自分が「正しい」立場にあればあるほど、傷ついた感情に自分で執着してしまいがちです。正しければ、相手を責める大義名分があるからです。

とはいえ、子どもとは言え逆ギレをした彼の態度は決して誉められるものではありません。私はただ単に隣の席になっただけの関係でしたが、これが夫婦や近しい関係の相手だったら、それこそ本当にモラハラになり得るでしょう。

ただ、怒りは感情の蓋であり、感情的に傷つくことから自分を守る防衛機能なので、あの時の男子が逆ギレしたのは、自分の無力感や罪悪感に苛まれていた、実は自分で自分を十分責めていて私に申し訳ないと思っているからこそ出た言動だったのだと思います。宿題をやらなきゃー!と思っていたところにお母さんから「宿題は?」って言われると逆キレする(したくなる)、あの心理の強力版です。

 

そういうことなんだあ、本人は実は自責の念を持っているんだ、と理解しておくだけでも、自分の気持ちが自分の傷から離れて、少し緩められると思います。

被害者の立場に居続けることは、実は自分を加害者にしている(加害者を責めるという加害をしている)ことでもありますから、知らず罪悪感の投げ合いになってしまって結構しんどいんですよね。

 

また、彼の立場からしても、自分の無力感や罪悪感といった感情にばかり意識がいっていたために、一呼吸置くことができず、いたいけな(笑)隣の女子を理不尽に責めることになってしまった。

もし、それらの感情を少し離れたところで見ることができていたら(メタ認知といいます。マインドフルネス等の練習で身に着けることができます)、もう少し穏やかな応対ができていたかもしれないし、何なら「ありがとう~!」と言って私の手伝いを受け容れていたかもしれません。

 

でも、自分の感情、特にネガティブな感情の力は強いので、時に相手や周囲のことが見えなくなってしまうのも、仕方ないよね、とも思うのです。

 

そう。その時その時、みんな精一杯なのです。


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まずは自分を大切に。

 

感情を観察する、溜まった感情を手放すお手伝いもしています。

 

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